胃酸を含む胃の内容物が食道へ逆流する病気の総称です。胃酸が食道に逆流すると胸やけや呑酸などの症状が現れたり、食道の粘膜がただれたりします（逆流性食道炎）。
原因としては加齢による下部食道括約筋の低下、肥満・姿勢の悪さなど腹圧上昇のほか、高脂肪食・喫煙・暴飲暴食が挙げられています。診断は胃カメラにより、食道粘膜の炎症の程度と下部食道括約筋の緩みを評価します。当院での胃カメラはAIを搭載しており、経鼻内視鏡や鎮静剤を使用した経口内視鏡が可能です。治療は胃酸を抑える薬を基本とした薬物療法を行いますが、生活習慣の改善が必要になることも少なくありません。

通称ピロリ菌に感染している状態を指します。ピロリ菌が胃の中に感染したまま放置しておくと慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんが引き起こされることがあります。ピロリ菌の感染には衛生環境が関連するといわれており、日本では中高年に多く、若年層では減少傾向にあります。診断には当院では抗体検査（血液/尿）、尿素呼気試験、便中抗原検査、胃カメラの際のウレアーゼ迅速検査や顕微鏡での鏡検を行っております。除菌開始にあたり、悪性疾患の除外のために胃カメラが必須となっておりますが、概ね1週間の内服で除菌することが可能です。胃がんの予防という意味でもピロリ菌除菌の有用性が示されています。

大腸の粘膜の一部が盛り上がり、大腸の内腔に突出した”できもの”です。40歳以降の方に多く、直腸やS状結腸にできやすいといわれています。ポリープの大きさは人によって異なりますが、腺腫と呼ばれるものは、大きくなるとがん化する恐れがあり切除が推奨されています。大腸がんの危険因子としては、食生活の欧米化や過剰な飲酒や喫煙、肥満、遺伝的要因などが挙げられます。通常大腸ポリープは無症状であることが多いので、早期に発見するには、大腸カメラを受けることが重要となります。当院では郵送による大腸がん検診や、沈静剤を使用して大腸カメラを行っています。AI搭載カメラを使用することで、診断能の向上と、発見時にポリープ切除を行い、早期発見/治療に努めております。

肝臓に炎症が生じることで肝臓の細胞が破壊される病気のことで、炎症が長く続くと、組織が硬くなり肝硬変になります。原因は肝炎ウイルスなどの感染や薬の副作用、アルコールや肥満といった生活習慣（NASH）、免疫性疾患など多岐にわたります。
肝臓は“沈黙の臓器”とも呼ばれ、自覚症状がない事が多いですが、肝硬変に進行すると肝臓がんを合併したり、食道静脈瘤や肝性脳症、難治性腹水など重篤な合併症を起こしやすくなります。肝硬変が更に進行すると元の状態に戻ることは難しくなるため、肝炎の段階で適切な治療や、定期的な検査を受けることが重要です。当院の腹部エコー検査では肝臓の固さを評価する事が可能で、日々の肝炎診療に役立てております。

肝臓に発生するがんのことで、肝臓を構成する肝細胞から発生する“肝細胞がん”と肝臓内の胆管の細胞から発生する“肝内胆管がん”に分類されます。そのほとんどは肝細胞がんで、かつては肝炎ウイルスが主たる原因でしたが、近年は飲酒・肥満・喫煙・糖尿病などを起因とした肝臓がんが増加傾向にあります。
当院では肝臓がんに対して、造影剤を使用した腹部エコーやCT検査により診断し、血管からのカテーテル治療(TACE)やラジオ波による焼灼療法（RFA）、経口抗がん剤（＋温熱療法）による治療を行っています。